福島原発 池上彰TV番組のまやかし

今30日夜「池上彰の学べるニュース」たらいう番組をみて仰天した。
政府+メディアが民衆をだます典型的なやり口だ。
彼から煽動(プロパガンダ)の手口を学ぼう。

手口1:重要な点から、聞き手の目をそらさせる
池上曰「野菜は洗えば放射性物質は落ちるし、ゆでるともっとよい」
確かに、落下した塵に含まれる放射性物質が葉の「表面に」ついた野菜はそうだろう。
しかし、重要なのは、今後の土壌汚染によって、野菜の「中に」取り込まれた放射性物
質が、植物のDNAを犯し、取り込んだ人間を汚染すること。これは食べないことしか防
ぐ手立てはない。

手口2:経緯や背景を説明せず、都合のよい事実だけを言う
池上曰「安全を見込んだ基準でチェックされているからだから大丈夫ですよ」
確かに、地震後に厚生省が出した通達の基準はクリアしている。
しかし、食品に含まれる放射性物質の許容値は、通達以前は、通達基準の1/15〜1/30で
あったことは云わない(下記)。

手口3:数値を出さず、感情的に納得させようとする

池上曰「中国や東南アジアの人々は海が汚染されると心配して塩を買いだめしている(
愚かだと云わんばかり)。海は広いから今の状態でそこまで心配する必要ないですよ」
どれだけの量の放射性物質が流れ出たかも把握できていないのに、何故安全と言えるの
か。安全かどうかの判断指標は何か。数字・実験結果などを踏まえた説明がない。中国
・東南アジア人蔑視の感情に訴える点が汚い。

「関係者が内輪でお手盛り。民衆には知らしむべからず、寄らしむるべし」の国の真骨
頂が見えてくる。

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■規制限界値についてのノート

●震災前
日本水道協会によるWHO水道水水質ガイドライン
ヨウ素-131 10Bq/L 
セシウム-137 10Bq/L

厚生労働省医薬局食品保健部HP 平成13年11月8日
輸入食品中の放射能濃度の暫定限度は、ICRP(国際放射線防護委員会)勧告、放射
性降下物の核種分析結果等から、輸入食品中のセシウム134及びセシウム137の放
射能濃度を加えた値で1kg当たり370Bqとしている。

●震災後

厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知 平成23年3月17日付「食安発0317第3号」 
放射能汚染された食品の取り扱いについて
...当分の間、別添の原子力安全委員会により示された指標値を暫定規制値とし、こ
れを上回る食品については、食品衛生法第6条第2号に当たるものとして食用に供されることがないよう販売その他について十分処置されたい。...

飲食物摂取制限に関する指標(注:★は震災前基準値を越えている)

・放射性ヨウ素 (I-131)
 飲料水 300 Bq/kg★
 牛乳・乳製品 300 Bq/kg
 野菜類 (根菜、芋類を除く) 2,000 Bq/kg

放射性セシウム
 飲料水 200 Bq/kg★
 牛乳・乳製品 200 Bq/kg
 野菜類  500 Bq/kg★
 穀類  500 Bq/kg★
 肉・卵・魚・その他 500 Bq/kg★

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原子力安全委員会のHPには、基準値も書いてないし、設定根拠も説明されていない。
食品衛生法6条2項は、有害物質を含む食品を販売してはならないというだけで、ヨウ素
セシウム濃度を定めてはいない。