福島原発 これまでのまとめ5 マスクの選び方と逆浸透膜浄水器 3月26日

今日は、放射性物質対策になりうるマスクの選び方について書きます。
ポイントは2つ。(1)顔にフィットしていること。(2)PFE(0.1μM粒子の除去率)が99%以上と
明記してあるサージカル(外科用)マスクを買うこと。
(2)は、父の知る限り、興和というメーカーの「三次元マスク」か、米国N95規格をクリアしたマスクのみ。
FSC F-95」って名の商品も見つけた。

(1)顔にフィットしていること
チェック方法:マスク装着後、マスクの中央に片手を当てて息を吐く。
一箇所から大量に漏れている場合は、調整してみる。
それでも駄目なら、マスクと顔形が合っていないので、あきらめる。

(2)マスクの防塵性能
マスクの防塵性能の指標
BFE 4〜5μM(マイクロメートル=0.005mm)粒子の除去率
PFE 0.1μM粒子の除去率

一方、放射性物質のサイズはどうか。
元素自体の大きさは、0.1μMの1000分の1レベルのサイズ(酸素分子と同程度らしい)。だから、マスクは意味なし。
しかし、1986年チェルノブイリ事故の際、日本(つくば)に飛来した放射性核種を含む
エアロゾル(空気中浮遊物)の粒径の研究をみると、PFE率が高いマスクならばある程度の捕捉効果がありそうだ。

・大きさ=重力落下のしやすさ:ヨウ素セシウムルテニウムストロンチウムプルトニウム
 131I<137Cs,103Ru<<90Sr<239,240Pu
・0.43μm以下に全体の放射能の50%が存在し、粒径の増加とともに急速に放射能が減少する
・乾いた放射性物質の粒径1μm以上だと重力で沈降する。これより粒径が小さくなるにしたがい重力があっても浮遊する(ブラウン運動による)
プルトニウム(最近漏洩が心配されている3号機の燃料)は少量の摂取でも、体内残留してα派が出て、肺癌などの危険性が大変高い。
人が作りだした半減期24,000年!の最悪物質。大きいので、落下しやすいと想像して心を休めるしか手がない。
チェルノブイリ事故発生4月末から5月末までの観測によると、粒径は時間とともに大
きくなる傾向。平均粒径はヨウ素セシウムの場合0.4μm ⇒0.7〜0.8μmへ。
つまり、滞留時間が長いほど塵が大型化してマスクで捕捉しやすくなる。
福島〜東京250kmで、塵の何%が0.1μM以上になるかは正直わからない。
観測結果が出ることを望みたい。
・対流圏では1月程、成層圏では9月で、浮遊量は半分に減る。対流圏では1年たてば無
視しうる量に減る。
・大気中の放射能の大部分が降水によって除去されている(水道水汚染の原因)

ここから云えること:
・マスク:BFE 99%では意味なし、PFE 99%以上は必須。
・水に流れ込んだ場合、放射性物質が水中でイオン化せず、塵と結合したままの状態な
らば、「逆浸透膜」式の浄水器ならば、除去できる可能性がある。逆浸透膜フィルター
の穴は0.0005μm程度で、水の分子は0.0003μm程度。この為、水の分子よりも大きい物
はほぼ除去できるため(殺菌成分も除去されてしまうが..)。
逆浸透膜浄水器は100千円以上するし大きいので家庭用には不向きかも。西永福サミッ
トに置いてある機械で漉す水も逆浸透膜式のようだが、HP見たら「放射性物質は除去
できません」と書いてあったな。何故だ?
同じ浄水器でも、中空糸膜方式(0.1μm)や活性炭方式では、あまり効果は期待できな
い。

ちなみに、水道局の浄水場では「砂」で漉して塩素入れるだけ。滞留期間も、一般的な急速ろ過式では1日弱だし、放射性物質には全く効かないと思われる。